ヘミングウェイも愛したワイン

飲み物について

デ・ステファニ社の『クレダ』

 深いルビーレッドが美しく、熟した果実、プラム、上品なスミレの香りが漂います。高いアルコール度数で、非常にしっかりとした骨格を持ち、何層にも重なるようなタンニンと長期熟成に由来する「第三のアロマ」を感じることが出来ます。実は、アメリカの作家ヘミングウェイ(1899-1961)が第1次世界大戦中の1918年、フォッサルタで赤十字の一員として従事していた際に銃弾を受け、治療のために運び込まれたのがこちらのワイナリー。そこでのエピソードがあります。重傷を負ったヘミングウェイはあまりにも辛くて自殺も考えたほどでしたが、デステファニのワインを飲んで元気が出てその考えを変えました。ここでの経験はその後、『武器よさらば』にも描かれています。

可能な限り「自然」のまま行われるデ・ステファニの栽培、醸造

醸造にあたっては防腐剤や亜硫酸を使わずに天然酵母で発酵。熟成の樽は仏アリエ県トロンセ産のバリック(225ℓ)を使います。瓶詰時の亜硫酸添加も最小限に抑え、添加するSO2は40mg/L以下で、残留するSO2の数値は、ほぼすべてのワインでEUのオーガニック認定基準を下回ります。また、動物性原料を一切使用しないヴィーガンでもあります。土着品種と国際品種を、それぞれの特性に最も適した区画・畑で、最も適した方法で栽培。伝統的手法と最新の技術を駆使し作られています。「Kreda」とはこの地方の方言で「粘土」のこと。その名の通り、非常に豊かな粘土質土壌の畑「Le Ronche」で造られる土着品種「レフォスコ」だけを使用してます。1haあたり8,400株の高密度栽培を行い、凝縮度を高めたブドウは、手摘みで収穫後に3ヶ月間陰干しを行い、定温管理されたセメントタンクで「醸し」を行います。「醸し」が終わるとステンレスタンクに移し、発酵。熟成はバリックにて24ヶ月の長期に渡って行われます。